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雨は人間がつくり出すものではないし、日光にしてもそうだ。だが、平和は人間がつくり出すものである。戦争はだれがつくり出すものでもない。平和への努力が欠けるところには、たちまち戦争が姿を現わすのだ。(略)あなたの好みがあげて平和の側にあったとしても、それで事態はいささかも変わらないはずだ。悪しきボクサーはパンチを受けなければいいと思っている。気の弱いピアニストは弾きそこなわなければいいと思っている。だが、外力がここぞというときに正しい音を弾いてくれると期待しても無駄だ。力の宇宙は平和的でもピアニストでもないことを肝に銘じておきたまえ。
一九二二年五月三十日
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・・・平和は自然状態ではなく、人工的に作り出さなければ実現できない、という意味であれば―『経国美談』の平和主義もそうなのですが―当方も異存はありません。ただ、アランの平和論の全体像を知るには、もう少し読み進める必要がありそうです。