核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

河合栄治郎「混沌たる思想界」より、その自由主義観。

 河合栄治郎自由主義を、「一面にファッシズムに対抗すると共に、他面に於てマルキシズムに対抗する」ものと位置づけていました。
 
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 人は自由主義に負担者となるべき階級のないことと、自由主義者が一集団に結成されてゐないことを咎めるかも知れない。然し一つのイデオロギーの負担者が階級でなければならぬと考へることが、マルキシズムより来る独断的の前提である。事実に於てマルキシズムを負担するものも、特定の一階級ではなかつたのである。(略) 
 なるほどそれ(引用者注 自由主義)は組織されてはゐない。然し組織が力であると共に、又ある場合には無組織が力であることもある。
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 「無組織が力であることもある」。いい言葉です。ばらけてこそ力。