核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

村井弦斎『日の出島』「新高の巻」その1 木星土星海王星

 さんざん書きあぐねた『日の出島』の感想ですが、近デジもいつまでも無料とは限らないし、とっとと終わらせることにしました。
 当時(1898年)、日本の領土になったばかりの台湾へ新婚旅行に行く雲岳女史夫妻。その船中にての感想です。セリフが文語体なのは雲岳女史がそういうキャラだからであって、彼女以外の人物は言文一致体でしゃべってます。

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 「他日空中旅行船の発明成らば地球は以て妾の足跡を印するに足らず、乞ふ天風に乗じて木星土星の天地に出遊を試みん(略)妾は我邦人をして木星土星海王星の天地に住移(原文のまま。ルビは「いぢう」)せしめんと欲す」良人(おつと)源吉嘆息し「ヤレ(踊り字)大変な事だ」と青くなる
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 冥王星はまだ発見されてませんでした。まったく、植民地なんてものは先住者のいない土地に作るべきものなのです。そうしていれば…。