核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

森銑三『明治東京逸聞史1』(平凡社 東洋文庫 1969)

 明治の新聞雑誌の時事風俗記事を、年代順に集めた労作です。『日の出島』読破計画の一環として、このたびまとめて読んでみました。
 食べ物関係の記述が特に充実していまして、ことに「附け焼パン」への執拗な追跡調査には研究者魂を感じます(一切れ五厘。砂糖蜜味。1890(明治23)年4月16日『東京朝日新聞』に記事あり。などなど)。
 私のほうでもチョコレートに執念を燃やしているのですが、この1巻では1898(明治31)年の項に、以下の記述があるきりでした。出典は『はがき集』同年11月18日。


   ※
 銀座の或菓子屋へチョコレートを買いに行ったら、チョコレートとは何でございます、といわれた、という投書が出ている。
 (335ページ)
   ※

 …『日の出島』「住の江の巻」連載と同じ年。雲岳女史に溶かしてないチョコレートを出した静岡の旅館は、やっぱり時代を先取りしすぎていたようです。