核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

大長編『日の出島』を三行にまとめると

 
 太陽熱・太陽光エネルギーが実用化された「もうひとつの明治三十年代」を描く、近未来空想小説。女性の社会進出や軍隊参加など、時代を先取りした話題も多い。しかし、長期連載による発明の蓄積は現実の明治との乖離を起こしてしまい、日露戦争を前にして中断となった。

 …たとえば三万トンの太陽船なんてものが発明されてしまうと、なんで日本海軍はせいぜい一万トン台の富士や三笠を主力艦にしてるんだって話になるわけです。
 もう一つつけくわえるなら、発明では解決できない社会問題に、作者の関心が移ってきた、というのも中断の理由と思われます。