核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

小野淳平・小方孝「物語自動生成ゲームにおけるギャップ技法の効果に関する予備調査」

 おなじみのお二人による実験報告の最新版。言語処理学会 第24回年次大会 発表論文集 (2018年3月)。
 といっても完結編ではなく、おそらくは2019年3月に新たな報告がなされるものと思います。
 いよいよ物語自動生成ゲームによる実践。どうすれば「驚き」を生み出せるのかの実験です。
 デカルトの『情念論』中の驚き論なんて、なつかしい名前も出てきます。キリスト教哲学の退屈さは、「驚き」を無視ないし軽視したことにあるのではないでしょうか。驚きは人間にとって大事です。
 で、あれこれとギャップ技法をこらしてギャップ値を測定してみたわけですが、表3によれば、場面の省略のギャップ値が高い以外は、それほど大きな差は見られなかったようです。
  「今後はギャップ値をより大きくしていくことが課題となる」とのことですので、今年の3月に期待です。学会発表があるなら行ってみたいぐらいです。まさに驚きの結果が出ることを期待しています。
 以下、個人的な感想をつらつらと。私は決定論一神教マルクス主義が嫌いで、自由意志説と古代ギリシアと明治時代が好きなのですが、その理由の少なくとも一つは、後者が「驚き」を与えてくれる世界観だということにあるようです。デカルトは……まん中あたりでしょうか。