政治的な色抜きで、論理学の成果を駆使して、原爆投下肯定論を擁護しようとする、恐るべき本。深刻に読むと、「核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ」の存続にかかわりかねません。
念のために書いておくと、三浦氏は戦争そのものを肯定しているのではありません。戦争という条件のもとでは、原爆投下は正しかったという論理が成り立つことを述べているのです(二一四頁より、大意)。
結論は、原爆は「質においては銃弾と異ならず、数においては銃弾よりもはるかに少人数の犠牲で戦争を終結させた」(二六〇頁)とのことです。
本書の個々の議論にはうなづかされ、気づかされる点も多いのですが、合意するかどうかはじっくりと考えてからにしたいと思います。