核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

三浦俊彦『戦争論理学 あの原爆投下を考える62問』(二見書房 二〇〇八) その1

 原爆投下が戦争終結に貢献し、百万以上の犠牲者を出すのを防いだ、とする論(以下、原爆投下肯定論と略す)の是非を考える本です。

 買って読めば嫌な気分になること請け合いの本で、私も買ってからしばらくろくに読まずにいたのですが、退屈よりは葛藤を選ぶことにしました。

 

 「(実際に落とす前に)原爆のデモンストレーションをすべきだったのでは?」

 「少なくとも長崎への(二発目の)原爆投下は正当化できまい?」

 「原爆肯定論者は、核兵器を容認するつもりなのか?」

 

 といった、私でも思いつきそうな反論は、ことごとく三浦氏によって論駁されています。手ごわい相手です。

 その情報量と論理には敬意を払いつつも、そう簡単に原爆肯定論に転じるわけにはいかない私としては、もう何日かかけてじっくりと、議論につきあおうと思います。熱くならずに。