一九九〇年代以降の、第三波フェミニズムが含む多様性の中に、非白人女性の権利という問題提起があるそうです。
『児女英雄伝』『日の出島』『女浪人』の三作品も、それぞれ非白人女性が中心人物なのですが、それが問題として露呈するのは、英国に亡命して現地人から「蛮女」呼ばわりされ、その差別をはねのける『女浪人』ぐらいでしょう。『日の出島』の雲岳女史も、日本の領土になった台湾を探検したり、女子軍を率いて北清事変に介入するのですが、それらでのふるまいはまさに「名誉白人」「名誉男性」でして、フェミニズム的な評価はむずかしそうです。
