日清戦争開戦の年に刊行された(もしかしたら雑誌初出があるかもですが)、
『国 民 大 帝』。
インパクトのある題です。作者は「嵯峨のやおむろ」だったり「矢崎嵯峨のや」だったりする矢崎鎮四郎(やざきしんしろう)。坪内逍遙門下です。
しかし国民大帝。ジャングル大帝や呉の大帝(孫権)やゼロ大帝とは訳が違います。
てっきり日清戦争を指揮する明治天皇を描いた、堂々たる同時代戦史を期待したのですが・・・・・・。
天照大神の五世の御孫、つまり後の神武天皇を「日本国民の大帝」と呼び、高千穂から東征に出るまでを描いた、四ページの小品にすぎませんでした。
盛大にずっこけました。まあ、嵯峨のやなりの戦争協力作品なのでしょう。