ドラゴンなんとかや、なんとかの竜という題の娯楽作品は数あれど、巨大なドラゴンが主人公の作品はあまりないのではないでしょうか。あったらすみません。
増田こうすけ『ギャグマンガ日和GB』で、江の島に主人公を決める取材旅行に行った作者が、八方にらみの竜を主人公に選ぶも、話が全然思いつかず使いにくいので一話で断念する、という回がありました。人間より強大すぎる存在というのは、ドラマの主人公にしづらいものです。強敵役や援助者役ならうってつけなのですが。
逆に弱いモンスターの主人公はどうかというと、T&T用ソロアドベンチャーに、ケン・セント・アンドレ「ゴブリン湖の冒険」というのがあります。人間よりひとまわり小さいゴブリン(最近では『ゴブリンスレイヤー』の敵役でおなじみですね)のキャラクターを作り、ゴブリンの王に取り入ってみたり、こっそり宝をくすねてみたり。ゴブリンの日常生活がうまく表現されていました。こちらはゲームとして、こじんまりと成立しています。
そのケン氏が最近、T&Tの派生作品『モンスター!モンスター!』の新版を出して、日本語版も展開されるとのことです。上記のような機微を、どのように解決しているか、私は期待しています。
「おれドラゴン!」
「じゃあぼくはショゴス!」
なんて強いもんばかり選べるようでは、ごっこ遊びとしても盛り上がりそうにないので。昔の版ではトランプを引いてなりきるモンスターを決める方式でしたが。そこそこの強さのを引けばいいのですが、ドラゴンを引いてしまった場合の問題(?)は残ります。
衰えを知らないケン氏の発想力に期待、というところでしょうか。