以前、『日本共和国幻想』という題で、第2の単著の構想を書いたことがありました。今回は題名をより明瞭に『独裁の止め方』と改めて、より問題意識を先鋭にしたもくじ案を発表します。
序論 近代日本文学における、独裁の止め方という問題提起
第一章 暗殺・戦争・暴力革命と、その致命的な問題点 矢野龍渓『経国美談』
第二章 選挙と説得 福地桜痴『仙居の夢』『女浪人』
第四章 スキャンダル告発 木下尚江『火の柱』
第五章 非暴力革命 木下尚江『良人の自白』
第九章 未成年による抵抗 川端康成『浅草紅団』
第十章 (未定 戦前戦中の作品で一編)
結論 今後実現可能な、独裁の止め方
あまり先鋭にならなかったかも知れません。私自身の中で「独裁の止め方」が、まだ「戦争の止め方:ほど考え抜かれていないようです。もっと早く考えておかなければならなかったのですが。
キモになりそうなのは、第六章の「同調圧力の拒否」あたりでしょうか。
独裁者個人を暗殺や暴力革命で倒しても、倒した者が新たな独裁者になるのはよくあることです。止めるべきは独裁者を支える同調圧力の体制であり、まずそれを個人のレベルで拒否し、変えていくことから、「独裁の止め方」は始まると私は思います。