ソードワールドTRPGシナリオ集『石巨人の迷宮』は、著者は水野良名義ですが、その表題作「石巨人の迷宮」は山本弘作品でした。
日本国産のTRPGが軌道に乗り始めた、傑作ぞろいのシナリオ集。遊ぶには別売りの文庫版ルールブックと、同好の士数名が必要なのですが、当時のTRPGとしては敷居は低めなほうでした。
で、石巨人の迷宮。これも今手元にないので(押し入れの奥にはあるはず。プレイしたのははるか前なので)、ネタバレにならない程度にうろ覚えで。心臓に宝石が埋まっているという石巨人の迷宮の伝説を聞き、冒険者一行はたんねんに地下迷宮の地図を作成しながら(ここ重要)、ストーンゴーレムだかジャイアントだかを探すのですが……。
当時は「職人、山本弘」などとファンの間で呼ばれており、そんな山本作品らしい凝った仕掛けに満ちており、冒険の楽しさを満喫できました。
ひたすら迷宮を漁ってモンスターと戦うだけで無性に楽しかった、黎明期のあの頃。
マッピング(地図作成)なんてのは、コンピューターRPGではたいていオートになってるし、今時TRPGでそれをやりたがる人もいないでしょうから、古き良き時代のシナリオなのかも知れませんが。