核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

無責任の体系。

  安田浩 『天皇の政治史―睦仁・嘉仁裕仁の時代』 青木書店 1998(平成10)年
 9月16日、閣議は三国軍事同盟案を決定、19日の御前会議での承認、上奏、裁可で国家意思は確定した。(略)天皇がしばしば親政を実施しながら「立憲君主」として輔弼にしたがって行動していると観念し、臣下が輔弼によって天皇をしたがわせようとしながら、天皇の命によって行動していると観念する行動様式が一般化すれば、“君臣もたれあいの構造”というべき壮大な無責任の体系が形成されることになる。
 
 ・・・戦争責任全般となると私の手にはあまりますが、少なくとも日独伊三国同盟に関する限り、最高責任者は昭和天皇裕仁であると断言できます。現に当時の新聞は、松岡洋右外務大臣のコメントも含めて、「御英断」を讃えているのです。おいしいとこだけもっていこうというのは虫がよすぎます。
 無責任の体系を打破するには、まず誰かが率先して責任ある言動を心がけるしかないのでしょう。私はそうありたいと思っていますし、他の人にもそうあってほしいと思っています。