核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

「俗悪なる平和論」という平和論批判への反論

 傍点が出ないので下線に改めました。差別的な言い回しが含まれますが、歴史上の史料なのでそのままとします(引用者)。
 
   ※
 野蛮人の唯一の酔は戦争であつた。さればあの戦争厭ひの感情には、何かの文明的洗練さがあると信じ得るか。文明的趣味性のデリカシイが?然り君はそれを信じ得るか。あの範疇的な非戦論者―婦人たちと、商人たちと、支那人と、猶太人と、そしてすべての幸福論者と―に就いて。彼等のあの俗悪な温良性に就いて。
 「俗悪なる平和論」
   ※
 
 ・・・それなんて石原慎太郎?いいえ、大正11年のある有名文学者の一文です。
 わけあって彼の全集を全巻読破したのですが、これよりましな戦争論や平和論はついに一つも発見できませんでした。もっとひどいのはいくつもありますけど。
 個人的には、「俗悪な戦争ぎらい」は、「詩的な南京陥落万歳」よりも文明的だと思っています。プラス1がマイナス10000よりも大であるように。