当ブログの2012年6月10日記事は、杉本健 『海軍の昭和史 提督と新聞記者』(文藝春秋 1982)の以下の部分を引用しました。
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この年(1941(昭和16)年)の五月二十八日、二十九日の縮刷版に目を皿のようにして探したが、平出の放送した「海戦の精神」は、影も形も無い。
(202~203ページ)
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朝日新聞の時局迎合と隠蔽体質は、本当にどうしようもありません。上記杉本著の他の箇所も疑ってみることにします。
なお、翌日の同紙夕刊によりますと、平出大佐演説はドイツ各紙で大々的に報道され、日本政府の対英米態度の確固不動ぶりを評価されたそうです。
もっと悪質な戦争責任者はいるにせよ、平出のこの強硬演説と朝日新聞他の報道が、日本を後戻りできない道に追い込んでしまったのは確かです。