書きたいこと、書くべきことがたまってきたので、『日の出島』の読書日記もそろそろ締めに入ります。あと0.7巻ほど。
幸福先生のお父さんが語る、一家幸福の秘訣とは。
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「俗人は兎角人の真似をしたがつて人に真似をさせると云ふ見識が無い、誰は百円の月給を取つて二百円の生活をする、己もあの真似をして贅沢をし度いと云ふ風になるから毎月百円苑(づつ)の借金が出来る、己は綿服を着て居ても心は錦繍(にしき)だ、世間の人は何故己の真似をせんと斯う云ふ気になつて居れば綿服を着て居て幸福が享けられる」
(近代デジタルライブラリー『日の出島 朝日の巻 上下巻』 42/168)
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要は、世間の真似をしないこと、自分自身の規範を持つこと、です。それが本当の近代的自我というものです。