核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

孔月「偶像の時代・精神の自由―芥川龍之介「将軍」における〈中間的〉まなざしの意味―」」

 筑波大学比較・理論文学会『文学研究論集』二〇〇七・二五号。
 「まなざし」を主題に「将軍」を読み解く論文。これを読まずに自論を展開していたらと思うと冷や汗ものでした。
 私が書こうとした論は将軍自身のまなざしで、孔氏の論は将軍をとりまく人々のまなざしという違いはありますが。
 N将軍の一連の言動に演技性を見、さらにそれをまなざす人々の心理の綾に踏み込む、きめこまやかな論考です。私としては、孔論の到達点のさらに先にまで思考を深めなければならなくなったようです。