核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

筒井康隆『残像に口紅を』(一九八九)

 ローマ字入力なのを利用して、「このブログから「あ列」を引けば」とかやろうと思いましたが無理でした。文庫版解説の精密な検証によればうっかりミスもあるようですが、とにかく困難な偉業です。

 使える文字をひとつずつ引いていって、なおかつ読ませるストーリーを成り立たせるというのは。最後の最後(使用可能文字一字!)まで破綻していません。

 ウィキペディアや筒井参加の座談会によると、フランスでも同じような実験小説が書かれたそうですが、この作品の価値を下げるものではないと思います。

 つくづく、一九八九年という年に筒井康隆にめぐりあえて幸せでした。