ローマ字入力なのを利用して、「このブログから「あ列」を引けば」とかやろうと思いましたが無理でした。文庫版解説の精密な検証によればうっかりミスもあるようですが、とにかく困難な偉業です。
使える文字をひとつずつ引いていって、なおかつ読ませるストーリーを成り立たせるというのは。最後の最後(使用可能文字一字!)まで破綻していません。
ウィキペディアや筒井参加の座談会によると、フランスでも同じような実験小説が書かれたそうですが、この作品の価値を下げるものではないと思います。
つくづく、一九八九年という年に筒井康隆にめぐりあえて幸せでした。