核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

『日の出島』「新高の巻」再読計画

 以前、村井弦斎の大長編『日の出島』を完読する企画を立てたのですが、「新高の巻」だけは適当に読み飛ばしてしまいました。
 新たに植民地となった台湾を、ヒロインの雲岳女史ら一行が探検する話で、その差別的な描写や帝国主義的な雰囲気に耐えられなかったので、ついさぼってしまったわけです。
 今回読み返してみても、「人生の快事は戦争に如くもの無し、戦争の快事は外国を征するにあり」(六九ページ)なんて、後に絶対平和主義者になる弦斎とは思えないセリフが出てきます。
 しかし、ポストコロニアリズムの掲げる正義にも完全に賛同できない私としては、コロニアリズム側の言い分も聞いてみたくなったわけです。もちろんそちらに賛同する気はないにしても。
 そんなわけで、「新高の巻」、今さらながら精読してみます。