核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

遅塚麗水『蝦夷大王』(一八九二(明治二五)年。未読。近日中に読む予定)

 原文は『近代デジタルコレクション』にもないようです。

 柳田泉「明治の歴史小説研究」によりますと、「きりむかくるが愛儂人の独立を計り、一度は成功しかけるが、ついに松前侯の討手に破られて立ち腹を切るという壮烈な筋の小説」だそうです。

 どーせ、ステレオタイプアイヌの「悲劇」を美化するだけの小説なんじゃねーの?

 とも思いますが、私はちょっとだけ期待を抱いてもいます。遅塚麗水という作家は、北海道出身ではなく、別に平和主義者でもなく、同期同僚の村井弦斎のようなぶっとんだ想像力もないのですが、たまに「やらかす」人でして。それも明治政府にとってあまり都合のよろしくない方向に。「電話機」「保険娘」で見せたやらかし力がまた見られるかどうか、楽しみにしています。