核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

「萌え絵で読む虚航船団」

筒井康隆の実験小説 『虚航船団』 を視覚化しようという無謀な企画。
筒井御大から
「記号への感情移入という行為に視覚化だの萌え擬人化だの……
 上等な料理にハチミツをブチ撒けるがごとき思想ッッッ!!」
と頭皮を剥がされるまで続ける予定です。
このページには自由に直接リンクしてくださって構いません。」
 
 ・・・とのことですので、ありがたくここに紹介させていただきます。
 もとの『虚航船団』第一部は、文房具(文房具型のロボットや宇宙人ではないらしいです)ばかりが乗る宇宙船内で起るドタバタを描いたSFです。登場文具たちがそれぞれ人間の嫌な一面だけを拡大したようなやつばっかりで(第三部には「点描法で描いた自画像」という言葉も出てきます)爆笑しながらも救いのない気分に陥らされることもあった作品でした。
 で、この「無謀な企画」ですが、虚航船団のみならず筒井康隆の歴代作品をあらかた踏まえた上で、なおかつその悲観的な人間観を乗り越えようとしている印象を受けます。必ずしも女性化されているからではなしに、「かわいい」んですよ。原作での赤鉛筆・筆・赤インクあたりはほんとうに救いがたかったのですが、この絵でなら許せます。
 第一部もそろそろ大詰めのようですが、できたら第三部ラストまで続けて欲しいものです。