核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

村井弦斎 『日の出島 鶴亀の巻』より「文学魔界」(近代デジタルライブラリーより)

 ネット上で明治の文学作品が読める近代デジタルライブラリー。「文学魔界」のページはこちらです。
 
 
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 要は現代(1897(明治30)年)の、一般社会から遊離した自閉的な文壇の体質を指して「魔界」と呼んでいるのですが・・・あからさまに国家主義な当時の弦斎もどうかと思います。彼はまだ平和主義者ではなかったのです。
 どうも新聞初出版と比べるとあちこち加筆したらしく、「饗庭篁村氏は〔五円位の〕鰹節の切手、須藤南翠氏は〔一銭位の〕鮫の切身」といった箇所があります(〔〕内は初出になし。なぜ価格表示)。
 饗庭篁村(あえばこうそん)、須藤南翠(すどうなんすい)は今日ではあまり知られていませんが(一発変換はできました)、明治20年代には大家と呼ばれる存在でした。
 特に須藤南翠は1888(明治21)年に『殺人犯』という探偵小説の先駆的作品を書いてまして(未読)、じっくり読んだら面白いのかもしれません。いずれ調べてみるかもです。鰹節と鮫の値段についても。