核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

四月十六日、『GMウォーロック』誌創刊!

以前に購読していたTRPG誌『ウォーロックマガジン』の後継誌、『GMウォーロック』が、いよいよ来週に創刊となります。 T&Tのミニソロアドベンチャー(一人用シナリオ)が九本とか、「大正日本」とか「京都異世界ツアー」とか、期待できそうな記事が並んで…

三大定番を教えたくない

森鴎外『舞姫』。侵略主義の提唱者山県有朋を、「天方伯」と呼び、服従する話。 夏目漱石『こころ』。自分の汚い裏切りを「明治の精神」などと美化する話。 芥川龍之介『羅生門』。悪人への悪、悪人への悪への悪、生き延びるための悪なら構わないという話。 …

起きた掃除

先日のTRPGの話ですが、1859年頃の江戸で、 技の玄武館(坂本龍馬ほか) 力の練兵館(桂小五郎ほか) 型の士学館(武市半平太ほか) 戦の試衛館(近藤勇ほか) のどれかに入門してもらって、対抗試合とかを経つつ後の維新関係者を顔見せしていくシナリオ…

逆踏み絵

踏み絵というのは、江戸時代の隠れキリシタン容疑者にキリスト等の絵を踏むよう命じ、踏めなかった者をキリシタンとして処刑する、残酷なやり方です。 校歌、社歌、軍歌、国歌といったものは逆踏み絵なのではないかと考えています。「君が代」だとか北原白秋…

『近代文学研究叢書 50』

おなじみ、『近代文学研究叢書 50』としか、表紙にも背表紙にも裏表紙にも書いてない本。装丁は困りものですが、最近は検索ですぐ中の文学者名がわかります。便利になったものです。 で、北原白秋が収録されている50巻ですが、日露戦争期(一九〇五)に…

詩七九一頁、思いよこしまだらけ

途中で寝たりとばしたりもしたので、全編とは断言できませんが、とにかく一通りは『北原白秋全集31』を読み終えました。そしてそこには、心動かされる詩は一編もありませんでした。失笑をさそう詩はあっても。

文学は精神的エアコンたりうるか

酷熱も極寒も、人間にとっては耐え難い状況です。そのために人類は、酷熱を涼しく、極寒を暖かくする、エアコンその他の機具を発明したわけです。 精神的な面を見ると、ぎちぎちの連帯を強制される圧迫感と、誰とも連帯できない孤独感が、耐え難い状況の両極…

連帯と孤独の間で。あるいは精神的エアコン

私は学校や会社の空気がどうにも苦手な社会不適応者で(軍隊は論外です)、一時期はフーコーのディシプリン論なんかに凝ったりもしたのですが。 学校や会社は、社会にとって必要な組織です。そしてそれらの組織を維持するためには、ある程度上から圧力をかけ…

校詩、社詩、軍詩がない理由

校歌、社歌、軍歌なら、それこそ北原白秋全集にいくらでもあるのに。 「われ」を詠う詩と、「われら」に歌わせる歌の違い、なのだと思います。 もっと言うと、孤独から生まれる文学と、連帯を強要する文学の違い。 北原白秋だって、切支丹でうすの魔法に思い…

『白秋全集31 歌謡集3』(岩波書店 一九八七)

定価は5000円 図書館で借りた 厚さはどんと 5.5cm 重いぞ重さ 1.3キロ 北原 北原 白秋~全集~♪ ちょっと文体模写してみました。北原白秋の歌詞というのは実に単調で、簡単に模倣量産できるAIがつくれそうです。 特に終わりの「〇× 〇× われらの…

戦争とは、「戦い」ではなく、「戦わせ」であること

大事なことなので何回も書きます。戦争とは、安全な場所で利益を得る者が、利益を得られるわけでもない兵士や民間人を殺人や死においやる営為であり、それゆえに不正であると。反戦論者は戦争の悲惨さを訴えると同時に、戦争の不正を訴えねばならないと。 利…

大塚楠緒子「進撃の歌」(『太陽』一九〇四(明治三七)年六月) その2

女性文学者である大塚楠緒子が、日露戦争中に「日本男児ぞ嗚呼我は」で終わる「進撃の歌」を発表した理由は何か。もう少し書き続けます。 愛国心、とは言わせません。最前線にいる陸海軍の兵士たちが、総合月刊誌『太陽』を読む余裕などないことぐらいはわか…

大塚楠緒子「進撃の歌」(『太陽』一九〇四(明治三七)年六月)

全文は未見ですが、このたび笹尾佳代氏の論文「銃後の守り--大塚楠緒子『進撃の歌』/『お百度詣』における「同情」の行方 (小特集「日露戦争と近代の記憶」)」同志社国文学 (61), 422-433, 2004-11)で一部が読めました。 「進めや進め一斉に」で始まり、「…

第八夜はむずかしい……

先日、夏目漱石「夢十夜」の第八夜を教材にしたらなんて書いてしまいましたが、読み返したら、これが思っていた以上に意味不明で。 強引に文学理論にあてはめることはできるんですよ。 庄太郎が女を「拵えた」という言い回しが男性中心主義だとか。 そもそも…