核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

星一『三十年後』 その2 さし絵

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 星新一の文庫の解説でその存在を知って以来気になっていたさし絵。ようやく見つかりました。
 九十一歳の嶋浦翁が、十七歳の花江嬢の操縦する自家用飛行機で、富士山上空を「散飛」する場面です。
 文章は江見水蔭の手を煩わせた…と、序文にはありましたが、このはじけたセンスは水蔭にはないんじゃないかと思います。
 刊行時(大正七年)には第一次世界大戦がまだ続いているにも関わらず、作中の大正三十七年ではやたら軍備の廃絶が強調されている点も好印象です。

 (2014・7・8追記 江見水蔭の著作目録を見たところ、飛行機が題材らしき作品名を多数発見しました。むしろ、このセンスこそ水蔭のものだったかもしれません)