戦争を祝う近代詩はいくらでも見つかるのに、戦争を呪う近代詩(ここでは明治~昭和戦前戦中の詩をさす)はわずかです。この「戦争を呪ふ」は、「日本ペンクラブ電子文藝館」様で読めました。(以下、コピペしたためフォントが変わってしまいました。ご容赦ください)。
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戦争を呪ふ
天の星、野べの百合にも
血の
バイブルを血汐に染めて、十字架を、
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日露戦争ただ中での発表であり、その勇気はほめるべきですが、どうしてもキリスト教色が目につきます。キリスト教指導者も大多数は戦争賛美に走っており、山口はそうした風潮が許せなかったのでしょう。
戦争指導者どもに天罰よ下れ、という主張は明確ですが、キリスト教徒以外の人に訴えかける力は弱く、巧妙な詩とはいいかねます。
しかし、戦争を賛美した北原白秋なんかよりははるかにましです。マイナス100よりも0.1のほうが大であるように。
天文学や植物学から見れば、天の星や野の百合もそんなに平和じゃない、というつっこみはあるかとは思いますが・・・・・・。