核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

レシート裏の勇者たち

今回はTRPGの話です。しかもT&Tのソロアドベンチャー(ゲームブック形式の一人用TRPG)という、かなりマニアックな遊びの。関心のない方はすみません。 ゲームブックというやつはたいがいそうなのですが、T&Tのソロアドというのはとにかく「初…

今さらだけど

谷崎潤一郎「小さな王国」を、RPG(ロールプレイングゲーム)として読む、なんて方向性もあったなと、今さら気づきました。 「子供」とか「学級」に焦点を合わせたご論文はいっぱいあるので、まさに今さらですが。それに、RPGに現実の権力関係やリアル…

ダニー・ネフセタイ『イスラエル軍元兵士が語る非戦論』(集英社新書 読む予定)

Yahooニュースの紹介欄のサムネイルにでかでかと、 「抑止力」 という考えは もうやめよう とあったので、興味をひかれ記事を読みました。 ダニー・ネフセタイ『イスラエル軍元兵士が語る非戦論』(集英社新書)を斉加尚代さんが読む 想像力を奪う「愛…

ケインズ読むぞ

図書館から借りたケインズ全集3冊の、返却期限がそろそろ迫ってきました。 ケインズの貨幣観だけでも理解しておかねば。

脱炭素文学

前前前前回に引用した、『文庫』誌の読者欄に、村井弦斎の小説はだんとつで売れるのに、尾崎紅葉、幸田露伴のは売れないことを、「悲しいこと」と表現した投稿がありました。まるで、紅葉・露伴の小説は高級な芸術で、弦斎は低級な通俗小説に過ぎないといわ…

村井弦斎『木曽の神秘境』(一九二〇(大正9)年)

『山道楽』という題なら、もう少し売れたんじゃないでしょうか。 『食道楽』の作者、村井弦斎が、多嘉子夫人と娘さん(後の女性登山家、村井米子氏と思われます)を連れて、日本アルプスの山々を旅する紀行文です。 私は高いところが苦手で、つり橋とか丸太…

村上浪六『我五十年』(一九一四(大正三)年)

国会図書館デジタルコレクションで、「村上浪六」「弦斎」で検索したら、さっそくヒットしました。村上浪六の自伝です。 とりあえず、「報知新聞」の章だけ読んでみました。 入社時は月給わずか五円の校正がかりで、社長の矢野龍渓、編集長の森田思軒はもと…

村上浪六はわからない……。

前回紹介した資料で、村井弦斎に並ぶ売れ行きを評価されていた「浪六」。 本名は村上信(むらかみ まこと)といい、「ちぬの浦浪六」の筆名で、一八九一(明治二四)年に出した撥鬢(ばちびん。侠客のこと)小説『三日月』が好評を博し、流行作家村上浪六と…

永峰重敏『〈読書国民〉の誕生』より 地方読者の村井弦斎人気

永峰著の正式な書名は、 永峰重敏『〈読書国民〉の誕生 明治30年代の活字メディアと読書文化』 (日本エディタースクール出版部 二〇〇四) です。日課の「弦斎」を含む語のネット検索で読めました。私のストライクゾーンなのに、これまで上掲書を読んでな…

『ゴールデンカムイ』、第48話「キロランケ」まで読み終えました

読み出したら止まりません。ここから先を読むにはアプリが必要とのことで、一休みすることにします。

『ゴールデンカムイ』、今なら全話無料!

批判的な評価もあることも存じていますが、まずは読まないことには。 第七話までむさぼるように読みました。明治時代の北海道を舞台にした、黄金をめぐる冒険物語です。村井弦斎でいえば『水の月』よりは『深山の美人』に近い発端。原抱一庵『闇中政治家』の…

東日ニュースより「村井弦斎って知っていますか?」

本日(2024年1月9日)のニュース記事を、勝手にリンクさせていただきます。 村井弦斎って知っていますか? | 東日新聞 (tonichi.net) 豊橋市中央図書館での、「食育の父 村井弦斎」展に関心が集まっているとのこと。弦斎の最初の小説「加利保留尼亜」…

差別者を楽しませる、という差別解消法

差別者に媚びるとか、差別されるままでいる、というのでは決してありません。 差別者というのは、不満や満たされない欲望を持ち、その欲望を利己的な形で満たすために、差別という安易で非倫理的な手段に頼ってしまう、という仮説を私は持っています「まじめ…

そろそろ動くか

国会図書館をはじめとする公共機関も動き出す頃だし、そろそろお正月気分は終わりにして、まじめに研究を再開しようと思います。 「小さな王国」論を書こうとすると『水の月』のことが気になり、『水の月』論の冒頭なりとも書いておこうとするとまた邪念が生…

『アタック!25』

日曜のお昼のテレビについては前にも書きましたが、故・児玉清氏のお上品な司会ぶりが際立つクイズ番組『アタック!25』と、その前のちょっとお下品な『新婚さん!いらっしゃい』、その間に流れる数々の名CM(「モリエールの風刺」とか)が、しあわせな…

『近代文学研究叢書』49巻に、馬場孤蝶の書誌情報が

あの、表紙にも背表紙にも『近代文学研究叢書 49』としか書いてないことで、ことあるごとに私が文句言ってる書誌本。近年ではネットで中身を検索できるので、あの装丁も余り気にならなくなりました。 馬場孤蝶の書誌情報は四九巻にありました。一九〇一(…

谷崎潤一郎とケインズの同時代性

谷崎潤一郎(1886~1965). J・M・ケインズ(1883~1946)。 生きた時代は重なる二人ですが、共通点となるとすぐには思い浮かびません。 二本の曲線がかろうじて交差する点が、第一次世界大戦終結期でしょうか。 ケインズは『平和の経済…

村井弦斎『水の月』論構想 差別と渡り合うテクニック(ネタバレ注意!)

『水の月』を発見した当初は、「これで作品論は難しいな」と思っていたのですが。 谷崎潤一郎『小さな王国』論に軸足を移してみると、なにやら書けそうな気がしてきました。 以 下 ネ タ バ レ 注 意 ! 『水の月』(一八八九)の女主人公は、島崎藤村『破戒…

わかりやすい例を挙げると

飛行中に操縦桿から手を離して、手を組み、 「神さま、どうかこの飛行機を墜落させないでください」 と祈り出すパイロットがいたらどうでしょうか? その姿をもし乗客が見たら、 「ああ、これで神さまはこの飛行機を守ってくださる」 と安心するでしょうか?…

例によって初詣行かず

私は無神論者、無宗教者なので、世界平和を祈るようなことはしません。 祈りという営為は、何もやってないのに何かした気分になってしまう分、世界平和の実現には逆効果だと思います。むしろ祈らないことで、うしろめたさというエネルギーを溜め、それを現実…

こてふ

コピーした資料を整理していたら、「こてふ」という人物の村井弦斎訪問記が出てきました(『報知新聞』一九〇一(明治三四)年九月六日)。 馬場孤蝶じゃないかと思ったのですが、よく考えたらその馬場孤蝶についても名前しか知らないことに気づきました。 …

小林道彦『山県有朋 明治国家と権力』(中公新書 読む予定)

気になる本が出てきました。利益線論の提唱者、山県有朋(やまがた ありとも)の評伝です。 2024・2・2追記 読みました。詳細は本日の記事にて。 小林道彦『山県有朋 明治国家と権力』(中公新書 二〇二三) - 核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブロ…

初つり

材木置き場で作業してて、角材を引き抜いた……という夢を見たら、ふくらはぎに激痛が。痛みがおさまったと思ったらまた激痛。という波状攻撃が4回ほどあり、ついに完全に目が覚めてしまいました。 これが初夢というのは悲惨すぎるので、ノーカウントにします…

辰年といえば

新年をお祝い申し上げます

例年なら初夢の話でも書くところですが、今回は夢を見ませんでした。見たけど忘れただけかも知れません。 このお正月中に、「小さな王国」論を形にできるよう努力します。ひとまずは。