核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

久しぶりに近場の図書館に行って

前から気になってた雑誌記事を一気読みしたのですが、残念ながら、大きすぎる期待に添うものではありませんでした。 特に大澤信亮『小林秀雄』。どうも題名に反して、小林秀雄を論じることから逃避し続けているように思えます。誠実とは思えません。

水無月中には『水の月』

もう六月も半分過ぎてしまいましたが。 村井弦斎が『北海道毎日新聞』に連載した『水の月』をはじめとして、そろそろ国会図書館に読みに行きたい資料がたまったので、近日中に決行しようと思います。 私はこれまで北海道という地に特別の興味はなく、行った…

岡和田晃『反ヘイト・反自由主義の批評精神 いま読まれるべき〈文学〉とは何か』(寿郎社 二〇一八) その1

シュミットの『パルチザンの理論』が先に届くかと思ったのですが、こちらが先でした。もちろん、待ち望んでいた本にかわりはありません。 とにかく、目指すところは明確です。近年の「極右」批評・「オタク」批評・「スピリチュアリズム」批評を否定し、現状…

弦斎版パルチザンの理論、見つからず

資料のコピーは見つからなかったのですが。 たしか、パルチザン(と太字でした)の女性兵士のような例外はあるものの、婦人は根本的に戦争を好むものではありません、という趣旨でした。 そういう「例外」を設ける平和主義こそ、シュミットが批判した対象な…

『パルチザンの理論』予習

予習といっても、ウィキペディアの同項からの受け売り学問ではありますが。 ※ 本書では三種類の敵概念を導入したパルチザンの分析が行われている。敵はその性質から在来的な敵と現実の敵そして絶対的な敵の三種に分類することができる。在来的な敵は国民とは…

シュミット『パルチザンの理論』も欲しくなった

まだ『政治的なものの概念』も熟読していないのに、欲張りすぎと思われるかも知れませんが。 今の私が読むべきは『パルチザンの理論』のほうだった気がしてなりません。 一口に「敵」と言っても、共存可能な敵と、共存不可能な敵がいるのでは。そのへんを深…

カール・シュミット『政治的なものの概念』(岩波文庫)、入手しました。

ぼつぼつと感想を書いていこうと思います。

夏目漱石とは誰ぞ

何をいまさら、と言われそうですが。 あの第一次世界大戦下の書簡が、どうもひっかかってならないのです。 「戦争が始まりました。たまにはあんな事も経験のため好からうと思ひます。欧州のものどもは長い間戦争を知らずにゐますから」 戦争が「やむを得ない…

『日本文学』10月号特集「〈生〉と〈死〉の文学」。興味はひかれるのですが、

今回私は読むだけですが、興味あるテーマです。 思えば静岡大学での卒業論文が「夢十夜」論だったのですが、まさに生と死を扱ったものでした。十夜の夢を一貫したテーマの連続物語として読む方針で、美しい死に憧れていた「自分」が、夢の中での死という鏡に…

原田康夫・田辺忠幸共著『将棋初段への道』(小学館 一九八三)

小学生むけ将棋入門書の名著であり、小学生時代からの私の愛読書だった『早わかり将棋なんでも入門』の上級編。あこがれの本だったのですが、このたび四十年ごしに入手しました。 私は段位を認定してもらったことはないのですが、アマチュア初段ぐらいの腕は…

村井弦斎、晩年の将棋観

弦斎メモの中に、「将碁道楽」とあったのを見て、将棋好きの私はちょっと気になりました。腕前もさることながら、弦斎は将棋という「道楽」をどうとらえていたのか。 弦斎が将棋について書いた他の文章はないものかと検索したところ、意外なのがヒットしまし…

ボサノヴァの女王、アストラッド・ジルベルトさん死去

私はボサノヴァ好きだと何度も書きましたが、正確にはアストラッド・ジルベルトさんの声のボサノヴァが好きなのだったのかも知れません。 前途が見いだせず、うつ状態のどん底だった頃、あの声に救われたものです。

豊橋で村井弦斎研究会「楽水」の発足式

結局私は行けませんでしたが、『東愛知新聞』のサイトによれば盛況で、市外や県外の方もいらっしゃってたそうです。 弦斎ゆかりの豊橋・平塚両市をはじめとして、各方面で弦斎への関心が高まるのはよいことなのですが、「食道楽の人」としての弦斎に偏ってい…

カール・シュミット著 権左 武志訳『政治的なものの概念 』(岩波文庫 2022 購入予定)

当ブログでも何度か言及した、悪名高きナチスの政治哲学者、カール・シュミット。 その新しい日本語訳が最近岩波文庫で出ていました。 古い訳の部分的なコピーは持っているのですが、この機会に文庫版を買って一気読みしようと思います。 悪名高いシュミット…

『戦争の止め方』原稿、全部読み直してみました

全部読み直してはみたのですが。 今の私の力では、具体的にどこが悪かったのか、どこを直すべきなのかがわかりませんでした。ということは、今書き直してもボツになるだけなのでしょう。 題名通り、戦争の止め方は提示できていると思うのですが・・・・・・。もう…

もしもシャンタル・ムフが『平家物語』を読んだら

政治哲学者のシャンタル・ムフというお人は、カール・シュミットの友・敵理論に強い影響を受けつつも、それを乗り越え、敵を対抗者に変えていく、「闘技民主主義」という論を展開なさっています。私はムフの専門家ではありませんが、敵を敵でなくする術(す…

色鉛筆がほしい

前回までの話とは無関係です。別にカムフラージュ平和主義に赤でチェックを入れようとかではありません。赤ペンだけならあるし。 欲しいのはレッドのほかにオレンジ、グリーン、ブルーという、トリオで変身トリプルファイターのように微妙な4色です。 TRPG…

吹浦忠正「「平和」の歴史   人類はどう築き、どう壊してきたか」(光文社新書 二〇〇四)その4 平和念仏論への批判

「平和念仏論」という語に抵抗を感じる方もいらっしゃる方もあるかも知れませんが、戦後平和主義の陥りがちな欠点を指した言葉です。以下、岡本幸治「平和念仏と戦後平和主義の特性」(月刊『日本』二〇〇三年九月号)が指摘する戦後平和主義の9つの類型を…

白旗赤旗論の森嶋通夫と、それに反対する関嘉彦の論争(いずれ読む予定)、および現時点での意見

1980年前後に行われたそうで、いずれ詳しい書誌情報を調べ、自分なりに読むことにします。 今確実に言えるのは、私は白旗赤旗論には断固反対です。しかし関嘉彦(河合栄治郎の弟子で、社会思想社の設立にも関わっているそうです。妙なご縁を感じはします…

吹浦忠正「「平和」の歴史   人類はどう築き、どう壊してきたか」(光文社新書 二〇〇四)その3 白旗赤旗論への批判

吹浦著に、トルストイの無抵抗主義からの連想で、戦後日本の「白旗赤旗論」への批判がありました。 ※ 一九七〇年代の終わり、わが国の論壇でも「白旗赤旗論」というのがあった。ソ連が攻めて来たらまず白旗を掲げて降伏し、次に赤旗を掲げて歓迎、こうして恭…

静岡文化芸術大学で、村井弦斎の研究プロジェクトが始まったようです。

これまでの弦斎のキーワードといえば、「食道楽」「食育」あたりなのですが、こちらのご研究では、「食道」思想という新しい術語が用いられています。 今後の進展が楽しみです。以下、KAKENサイトより転載。 ※ 村井弦斎「食道」思想の形成・継承・受容…