核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

#その他人文科学

遅塚麗水  「記者生活三十七年の回顧」

『苦楽』1926(大正15)3~5月。『明治文学全集26 根岸派文学集』筑摩書房 1981(昭和56)より引用。 村井弦斎・村上浪六・原抱一庵とともに報知の四天王と呼ばれた新聞小説家の回顧録です。 幸田露伴(成行)と幼少時に爆竹であそんだ竹馬…

黒岩比佐子の遺した「世界」 「『食道楽』の人、村井弦斎」を見て、聴いて、食べる。

イベントの紹介です。2012年8月4日・5日。アートガレー神楽坂にて。 黒岩比佐子の遺した「世界」 「『食道楽』の人、村井弦斎」を見て、聴いて、食べる。 会場・時間などの詳細はこちらの、アートガレー神楽坂様のサイトをごらんください。 http://ar…

将棋とチェスの違い

小林秀雄の批判をやりだすときりがないのですが、これは書いておかねばなりません。 『メルツェルの将棋差し』という訳題は明らかに誤訳なのです。「差し」や、初出での『メエルゼル』という表記はともかく、問題は「将棋」です。 ポーが述べているのはチェ…

松原仁 『将棋とコンピュータ』 共立出版 1994 その2

冒頭から、小林秀雄の「常識」で読んだような話題です。共通の出典があるかはいずれ調査。 ※ もしかりに将棋の神様が二人いたとすれば、先手と後手が決まったときにたしかに勝負はついているのです。 将棋には必勝法があります。(略)ゲーム理論の教えると…

松原仁 『将棋とコンピュータ』 共立出版 1994

こういう本を読みたかった。久しぶりにそう思わせてくれる、実に情報量の豊かな本です。 著者は人工知能の研究家で、将棋はアマチュア五段だそうです。 (理系の方らしく、タイトルおよび本文中では「コンピュータ」と、最後の「ー」なしで表記なさっていま…

ミノタウロス雑感

地下迷宮の奥底に潜むモンスター、というRPGの定番を生み出したミノタウロス。牛頭人身というデザインがかっこいいせいか、あちこちで見かけます。 ※ 孤独な少年の内面をつづった私小説・・・の作者がミノタウロスだったという話を、幻想小説の大御所二人が…

事大主義について。

議論を進める前に、私の立場について表明しておきます。 「このアンタルだか菅原健史だとかいうやつは、小林秀雄の言うことならなんでも気に食わなくて、あらさがしをしているだけじゃないか」と思われるかもしれませんが、そうではありません。 私が本当に…

総合目録ネットワーク(ゆにかねっと)

(追記 2012年1月6日をもって、「国立国会図書館サーチ」(NDL Search)と改称された模様です) 全国の県立図書館の所蔵を確認できる、ゆにかねっとを紹介します。 http://unicanet.ndl.go.jp/psrch/redirect.jsp?type=psrch 全国の大学の所蔵を確認で…

植木枝盛のコミューン将棋

明治初期の平和主義、民主主義の先駆け的存在、植木枝盛(うえきえもり。1892(明治25)年没)。 実生活ではいろいろと変な人だったらしく、島原の芸者に「我他日志を得て京都の知事たらば、市街の上はことごとく硝子の天井を張らせ、夏時は金魚を遊泳…

Wikisource

ウィキペディアの姉妹プロジェクト、ウィキソースを紹介します。 http://ja.wikisource.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8 憲法(日本国・大日本帝国・十七条)・法律・聖書など、手元にあると重宝する原典を収録したサイト…

google翻訳で遊ぼう

今さらという感もありますが、私がしばしばお世話になっております、google翻訳をご紹介します。 http://translate.google.co.jp/#ja|en| 世界64ヶ国語を発音つきで翻訳してくれるこのサイト。電子辞書すら買えない私は重宝しています。 知識人なら辞書ぐ…

発表資料 その5(結論部分)

5 まとめ―小林秀雄のどこに問題があったのか? 引用17 森本淳生 『小林秀雄の論理―美と戦争』 人文書院 2002(平成14)年 戦争を語る小林の論理は、彼の最良の文学的テクストをなりたたせているものと本質的には異なるところがない。(略)戦争にま…

発表資料 その4

4 太平洋戦争下の小林秀雄―全集未収録鼎談「海軍精神の探究」をめぐって 引用15 森本淳生 『小林秀雄の論理―美と戦争』 人文書院 2002(平成14)年 吉本隆明にとっては戦争に対する「思想的な負債」が少ない文学者であったにせよ(「小林秀雄の方法…

発表資料 その3

3 三国同盟の成立過程と、小林秀雄の果たした役割 別紙資料2 「英雄を語る」 『文学界』 1940(昭和15)年11月1日 (ヒットラーを「英雄」と評価し争って礼賛する小林秀雄・林房雄・石川達三) 引用8 山川菊栄 「ナチスと婦人」(『読売新聞』 …

発表資料 その2

2 小林秀雄「我が闘争」における、初出と全集版の本文異同 引用7 小林秀雄全集における本文 「断想」 第1次『小林秀雄全集』第4巻 創元社 1955(昭和30)~1957(32)年 これは全く読者の先入観なぞ許さぬ本だ。ヒットラー自身その事を書中…

発表資料その1

発表題目 小林秀雄における「天才」の問題―ヒットラー観の変遷を中心に 日本文学協会 第31回研究発表大会 2011年7月3日(日) 於名古屋大学 菅原 健史 問題提起 戦前・戦中・戦後にかけて、小林秀雄のヒットラー観はいかに変遷したか 1 小林秀雄の…

7月3日発表 付録 小林秀雄年表

1902(明治35) 4月11日小林秀雄生れる。 1921(大正10) 小林(19)、第一高等学校入学。盲腸周囲炎、神経症のため休学。 1925(大正14) 小林(23)、東京帝国大学文学部仏蘭西文学科入学。盲腸炎で手術。 1929(昭和4) 小…