小林秀雄
毎度のことながら、戦後版では削除された箇所です。 火野葦平のトーチカを「四日間で強引に突破した」という談話と、「舟は三潭印月に向ふ」という記述の間。 「×××」等の伏字は、初出誌にあるとおりです。 ※ その時の事だが、火野君は七人の兵を連れ、一番…
「買春夫」という語を検索してみたのですが、少なくともネット上には存在しないようです。1938年には確実に一人、そう呼ばれるにふさわしい男が存在したのですが。
『出版警察報』 号七八ページより。小林秀雄「蘇州」(『文藝春秋』一九三八年六月)の削除箇所についての言及。従って、今回も小林秀雄全集や単行本には載っていない箇所です。旧字体は新字体に改めました。 ※ 文藝春秋 第十六巻第九号 東京市同社発行 六月…
全集版との間に細かい異同はありますが、内容は大差ありません。「文学青年で登場しまして」は初出原文のままです。 ※ 芥川龍之介にも、乃木将軍を描いた「将軍」といふ作がある。これも、やはり大正十年頃発表され、当時なかなか評判を呼んだ作で、僕は、学…
第一部完。第二部は二〇一九年以降になるそうです。
「例によって全集未収録」と以前にブログに書いた、以下の資料についての言及あり。 ※ 小林秀雄氏 大東亜文学の新しい建設のためにアジヤの文学者が一堂に会するといふことは非常に喜ばしいことであります。 (略) 要は我々はこの提携は戦争と深く結付くべ…
2018年2月号までお休みだそうです。
今号からやっと「小林秀雄」に戻ったようです。
ここ数か月「保田与重郎」と化しています。戻ってくるのはいつでしょうか。
鼎談『海軍精神の探究』についての言及あり。
「我が闘争」の初出問題および、座談会「英雄を語る」についての言及あり。 少し私の関心ある分野に近づいてきました。
『すばる』2015年2月号掲載文より抜粋要約。 (一) 政治家には非常時の政策というものがあるが、文学者には非常時の思想などない。 (二) 文学者は表現がすべてであり、「表現は拙いが内容はいい」などということはない。 (三) 政治家が歴史の表面に現…
『すばる』2015年2月号掲載文より箇条書きで要約。 ・清朝のデカダンスの遺物にはただもうあきれるばかりです。 ・こまごました宝物には少しも美しさがありません。 ・承徳のラマ寺には全く感心しました。 ・北京にはあの程度の強いものも恐らくありま…
『すばる』2015年2月号掲載文より要約。 (一) 歴史は決して二度繰り返さない。母親にとっての子供の死と同じように。 (二) 「歴史は繰り返す」という言葉は、歴史家の合理的な解釈にすぎない。 (三) どんなに客観的であろうと努めても、歴史観と…
『すばる』2015年2月号に掲載された、新発見の小林秀雄三篇、やっと入手しました。 「歴史に就いて」「北京だより」「事変の新しさ」の三篇です。 よく知られている「歴史について」や「事変の新しさ」とあまり変わらないように見えますが、土日にじっ…
なにやら動きがあったような。
戦後に出版された(つまり、戦時下の厖大な発言をすべてなかったことにした)小林秀雄全集をもとに、戦前・戦中の小林秀雄を論じた、何の価値もない本です。 戦前・戦中の新聞や雑誌で小林秀雄を読めば、彼が「頑固に戦争から目を転じて」(『感想』1958…
『新潮』2013年3月号の山城むつみ論文128ページには確かに「その第一〇一号に一九三八年の四月、五月、六月の三カ月間の出版物取締の状況が報告されている」とあるのですが、私が見た不二出版の複製版では第百拾貮號(第112号)に収録されていま…
以下三本の論が収録されています。 山城むつみ 「蘇州の空白から 小林秀雄の「戦後」」 大澤信亮 「小林秀雄序論―日本の批評」 佐々木敦「批評の初心 2013年に「様々なる意匠」を読み直す/書き直す」 特に興味深かったのは山城論でした。 「どうせ読む…
私の新発見ではなく、すでに櫻本富雄氏の『日本文学報国会 大東亜戦争の文学者たち』(青木書店 1995 248~250ページ)に引用されています。すでにご存知だった方はご了承ください。第二回大東亜文学者決戦会議での発言です。 ※ 小林秀雄氏 大東亜…
「冷やし中華はじめました」みたいで恐縮ですが、そんな高級な話ではありません。
困りました。どうしても以下の一節に相当する文章が、『デカルト著作集』に出てこないのです。小林秀雄「様々なる意匠」(『改造』掲載文より)。 ※ たゞ、一つの意匠をあまり信用し過ぎないために、あらゆる意匠を信用しようと努めたに過ぎない。そして、次…
なぜ私がデカルト著作集全四巻なんてものを読み出したか。理由の一つは、小林秀雄「様々なる意匠」末尾にある、次の一節の出典を探すためです。 旧字体は新字体に改めましたが、それ以外の表記は『改造』誌に「文藝評論二等当選」として掲載された原文のまま…
(追記 書名が不正確だったので訂正しました。お詫びします。2012・12・30) 東洋文庫から少しずつ復刊されているのは気づいていましたが、完結してからまとめて読もうと思い、つい後回しにしていました。 まだ復刊していない下巻に小林秀雄の略伝が…
『サザエさん』の作者長谷川町子は、戦前には『のらくろ』の作者田河水泡の内弟子をしていました。 その時期をまんが化した、『サザエさんうちあけ話』に、田河の妻の兄だった小林秀雄がひとコマだけ描かれています。 ものすごく眠そうなサザエさん顔の長谷…
以前に存在を教えていただいてから、入手するまでに手間取ってしまいました。『ちくま』は近くの書店にはなかったのです。 1964年の講演をもとにした、小林秀雄「常識について」(当ブログで以前に扱った「常識」とは別物)への、なだ氏の感想。 まず小…
すでに誰かが指摘していそうでもあり、細かい上に非生産的な話なので、手短にまとめます。 新潮社第五次全集(平成13年)の「私小説論」末尾には(「経済往来」、昭和十年五月)とありますが、正確には、 「私小説論」 『経済往来』誌 1935(昭和10…
少し遠くの書店をさがしてみます。
第五次小林秀雄全集第一巻(新潮社 平成14)と比較したのですが、今回は文意が逆になるような大きな異同はありませんでした。とはいえ、「眩惑の魔術」が「人心眩惑の魔術」になったレベルの異同は多数あります。 文意をより明確にするための異同であれば…
江藤淳・中村光夫とともに、編輯に名をつらねる大岡昇平の解説。 ※ 小林さんは湯川博士との対談では「永遠回帰」について語っている。 《小林 肉体の秩序はただちに精神の秩序に連続していない。とすれば、肉体は亡びても・・・・・・。 湯川 そりゃ魂は亡び…