核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2014-01-01から1年間の記事一覧

京谷大助『星とフォード』(1924)

『三十年後』論を終えるにあたってふと気になったのは、同作品ははたして星製薬の発展に貢献したのかという点。同社の1918(大正7)年前後の経営状態を捜してみてこの本にたどりつきました。検索時の書名は『星一とヘンリー・フオード』ですが、奥付に…

二次方程式を解く夢

試験会場とかそういう舞台装置は一切なく、問題用紙だけがある夢でした。 私が解の公式で出した答えは「1、-1」だったのですが、模範解答には8とか2とか4とか、別解がむやみとありました。その過程も、2√2√3√3分の1とかなんとか、むやみと入り組…

ルカーチ著 城塚登・古田光訳『歴史と階級意識』白水社 1975(原著1922)

無価~値の一言。貴重な文化の日をムダにしました。 第一次世界大戦に抵抗する思想を期待したこっちがばかでした。

アナゴさんの一人称

回ごとに(脚本家ごとに)「オレ」だったり「ボク」だったりしますが、今回は「ボク」でした。なんか安心です。自分なりのアナゴさん像に合ってます。

論文盗用23本 龍谷大教授解雇

Yahooニュースより。なぜ今まで問題にならなかったのでしょうか。 論文盗用23本 龍谷大教授解雇 2014年10月31日(金) 19時17分掲載 . 論文盗用で教授解雇=3大学で23本―龍谷大 龍谷大(京都市)は31日、論文に盗用があったとして、文学部の菅山謙正特任教授(…

本日も多忙につき

おやすみします。

カール・ポパーに賛成できない点

私はたいていのことならポパーに賛同していますが、「民主主義を守るためには暴力も許される」という点だけは同意できません。太平洋戦争下、亡命先のニュージーランドで軍に志願した、という行動力は認めるにせよ、褒めるわけにはいきません。 兵器のない世…

鬱要素が、足りない。

論文がいまだに完成してない唯一の理由です。

エドワード・ベラミー著  平井廣五郎訳『百年後の社会』(1903)

日露戦争の一年前に翻訳された、社会主義ユートピア小説"Looking Backward"です。 当時は割とあることですが、主人公ジュリアン・ウェストが「西重連」さんになるなど、人物名を強引に変えてます。でも地名はボストンのまま。 西暦1887年から2000年…

梅内幸信「古典落語『死神』に関するモチーフ分析と呪文について : 『死神の名付け親』(KHM44)との比較において」

鹿児島大学(地域政策科学研究 (10), 81-99, 2013-03)掲載。 グリム童話「死神の名付け親」が、日本に伝わって古典落語「死神」となった経緯。 ※ テーゼ3:古典落語『死神』は, 三遊亭圓朝が(仮説:福地桜痴から『グリム童話集(第2版)』における『死神の名…

強制による平和ではなく、合意による平和

以前、「上からの平和ではなく、横からの平和を」ということを書きました。 星一『三十年後』の結末にあてはめて、もう一歩だけ具体化するとこうなります。 「強制による平和ではなく、合意による平和」。

星一『官吏学』概観

ものすごい情報量の労作だし、当時の雑誌論文の水準をはるかに上回っていますけれど、ただ。 『官吏学』である必然性があったのでしょうか。特に三巻以降。

星一『官吏学 第三巻』における無政府主義批判

1922年といえばアナ・ボル論争の季節。彼ら主義者から見れば新興ブルジョワジーの一人であろう星一も、無政府主義(アナーキズム)および社会主義(ボルシェビズム)への反論に一章を割いています。 ※ (星一の主張してきた「統合」とは力の均衡であり、…

夏目漱石 「夢十夜」 より 「第十夜」

いずれ私が世界ブタ文学全集を編む日が来たら、欠くことが出来ない作品です。 登場豚物の多さでは他の追随を許しません。

上からの平和ではなく、横からの平和

まだ抽象的な言い方ですが、これが私の方針です。

上田秋成『春雨物語』より「海賊」

江戸時代の短編小説集『春雨物語』(1808)中の、文学的海賊の物語。 『土佐日記』で知られる紀貫之(きのつらゆき)が都に帰る途中、海賊と称する男が現れます。何がめあてかと思ったら、『古今集』の編集ぶりにさんざんけちをつけただけで帰っていきま…

星一『官吏学 第四巻』 より 「うき事のなほ此上につもれかし」

もしかすると『三十年後』より面白いような気がする『官吏学』。特にこの四巻は『官吏学』という主題を離れ、かなり自由奔放に持論を語っています。 「うき事のなほ此上につもれかし限りある身の力試さん」 という歌を、少なくとも十数年前から座右の銘にし…

星一『官吏学 第三巻』における自由意志説

※ 人には自由意思あり環境に対し順応し衛禦(えいぎょ?)し改造すと雖、其自由たる相対的 Relative にして絶対的 Absolute にあらず、必ず統合を要すべき限界点あり、 (略) 要するに人類の自由意思とは自他の統合を得る方法を選ぶの自由を意味し、無制限…

画面にタテ線

このところ使用時間が延びたせいか、画面上の→ ←あたりに白いタテ線が出るようになりました。 電源と電池をはずして放置するといいらしいのですが、本格的な対策は論文が終わってからになりそうです。

星一『官吏学 第三巻』における国防論

国民皆兵主義と軍縮論という、かなり独特の組み合わせです。 欧州の大戦(第一次世界大戦)とは国力総体の対抗であり、軍国主義ドイツの敗因は軍備への偏重にあった、という分析のもとに、星一は以下の結論に達します。 ※ 故に余の意見は戦術其他特殊の研究…

星一『官吏学 第三巻』におけるW・ジェイムズの「道徳的代用価」と戦争中止論

1922(大正11)年刊行の、星一畢生の大著です。 当ブログがたびたび引用してきました、ウィリアム・ジェイムズの「戦争の道徳的等価物」論を、星一も引いていました。「軍備」の章より。 ※ ウイリアム・ジエームスは之に或る「道徳的代用価」を置き換へ…

大原則。

一般常識に反する説を発表する際には、まず提唱する側が具体的なデータを示す必要がある。これは学問の大原則です。 たとえば、「明治時代には民主主義や平和主義などなかった」という常識(むしろ俗説)は根強く広まっていまして。私の論文は引用文が多すぎ…

江見水蔭『空中飛行器』(1902(明治35))

ライト兄弟の有人飛行(1903)より一年前に、日本人兄弟による飛行器の発明を描いた小説です。 (2014・10・17追記 初出は明治32(1899)年の新春と、『自己中心 明治文壇史』にあったのを、以前自分で書き写しておいて忘れていました。ラ…

2014.9.28 村井弦斎まつり投稿

弦斎まつりの模様が、youtubeに投稿されていました。 観光地によくある、顔部分の穴から自分の顔を出して写真をとれるパネルもありました。弦斎と多嘉子夫人の肖像で…。

そろそろまとめに

ゴドワロワ論文を読んだおかげで、『三十年後』という作品の論点がだいぶ明らかになったような気がします。 少なくとも、製薬会社の宣伝小説で片付けていいものではありません。薬がいかに進歩しようと、人間社会には解決できない問題が頑として存在する、と…

●第16回 見世物学会・総会[第一部 『越境する芸能、見世物』、第二部 『見世物と舞踏・演劇』](2014年11月15日(土)@慶応義塾大学 北館ホール)

見世物と土方巽がテーマだそうです。 見世物にも舞踏にもさして興味はありませんが、土方巽の文体には興味ありまくりでして。 私が土方や大野一雄の文体を知ったのは石原慎太郎の小説『光より速きわれら』でして、いずれ紹介します。これは盗作ではなくモデ…

椎名林檎(作詞・作曲)「シドと白昼夢」

曲はもちろんのこと、「ジャニス・イアンを自らと思い込んでた 現実には本物がいるとわかっていた」という歌詞の一節が秀逸です。 「思い込んで」ないじゃないかという気もしますが。芸術と宗教の違いはそこにあると思うのです。

カラスが机に似ているのは…

類似点というやつは、どんなにかけはなれたものであっても、探そうと思えばいくらでも見つかるものなのです。 以下、カラスと机の類似点。「足がある」「人里にはたいていある」「カ行の音を含む」「音を出す」「宇宙空間では見かけない」… 何の話かというと…

横手慎二『スターリン 「非道の独裁者」の実像』(中公新書 2014)

スターリンの凄惨な独裁体制は、前任者レーニンの時代にすでに準備されていた、という説は前からありますが、新たな資料が加わりました。1918年5月、レーニン政権下のロシアは食糧難におちいり、食糧を強制徴収された農民の蜂起が起きていました。 ※ こ…

ザ・ニンジャがうらやましい

論文が進まない時、Lの陣形ではげましてくれる正義超人はいないもんでしょうか。