2012-01-01から1年間の記事一覧
真打ち登場。新書サイズとはいえ、アリストテレスからモンテーニュ、デカルト、アガンベン、デリダまで、動物の魂についての哲学史を要約した本です。 著者自身の結論も、以下のように明白に示されています。 ※ きっと読者は私にこう問いかけるに違いない。…
映画「ツナグ」主題歌。作詞:Satomi。作曲:川口大輔。 テーマソングがないと 論文が書けない体質ですが、今回はこれで決まりです。 全盛期のMISIAを連想させる、ラブソングの枠をはみ出した壮大な曲です。
『福翁自伝』(慶応通信 1957)の「はじめてアメリカに渡る」章より。 前回紹介した、福沢が大阪で牛鍋を食べていた時期の二年ほど後です。 ※ あるときにメールアイランドの近所にバレーフォーという所があって、そこにオランダの医者がいる。(略)ソコ…
安愚楽鍋論の参考になるかは別として、貴重な幕末の牛鍋資料です。 原著は1899(明治32)年刊。引用は慶応通信、1957(昭和32)年刊によります。 1857(安政4年)、大阪の緒方塾で塾長をしていた時代の福沢諭吉。その食生活は。 ※ 銭の乏し…
仮名垣魯文論が暗礁に乗り上げたというのに、手を広げていいのかという気はしますけど。 『明治文学全集』の解説を読んで、妙に気になった人です。 『和談三才図笑』は近代デジタルライブラリーにありましたけど、くずし字が読めるかどうか。問題は私のリテ…
ある方のブログに触発されまして、名古屋の古本屋のことなど書いてみます。 JRおよび地下鉄鶴舞駅。この近辺には古書会館と古本屋がずらっと並ぶ通りがありまして。 古書会館の100円コーナーにはよく円本(昭和初期の文学全集)がバラで積まれてました…
「「牛店雑談安愚楽鍋」の書き方は次のようなものであった。(引用省略)このような洒落と悪ふざけの混った戯文口調は巧妙であったが、小説の考え方は江戸戯作から一歩も出ていなかった」(伊藤整『日本文壇史1 開化期の人々』講談社文芸文庫 1994 より…
「おはよう」ではないガッチャマン。実はこの最終回は人生初見でした。 敵の幹部ゲルサドラ(前任者のベルクカッツェよりいやなやつでした)がどたん場で地球側に裏切り、ついに総裁Xと対面するガッチャマンたち。例によって自爆攻撃をかけようとするジョー…
2012年7月12日(http://blogs.yahoo.co.jp/fktouc18411906/archive/2012/07/12)にも孫引きで紹介した、『帝国教育』1911(明治43)年10月号の好評書籍大番附。このたび国会図書館にて現物を入手しました。 下段中央にひときわ大きく「村井弦…
つい久しぶりに現代思想なんぞに手を出してしまいましたが、理解不能でした。 「難解」というのとは少し違います。私はこれでも専門外ながらプラトンだのアクィナスだのカントだのを読んできてまして、西洋文明が人間と動物を区別してきた論理については理解…
ドラえもんの「のら犬「イチ」の国」に、自動ハンバーグ製造機(題名・道具名ともにうろおぼえ)が出てきました。 あれ実現できないものでしょうか。未来の国でも貴重品らしく、ドラえもんが「ついに手に入れた。ついに手に入れた」って二回言ってましたけど…
『日本文学』2012年9月号収録論文。 菜食主義の是非を扱った童話「ビヂテリアン大祭」を、「衣装」というキーワードで論じています。 以下、同論文への批評というより、同論文を読んで考えさせられた点を述べます その最大のものは、「登場人物たちの衣…
今回の『安愚楽鍋』論のテーマは「痛ましさ」の予定だったのですが、のっけからけちがつきました。 仮名垣魯文も影響された福沢諭吉の、「肉食之説」(「の」ではなく「之」でした)より。 ※ 抑も其肉食を嫌ふは豚牛の大なるを殺すに忍びざる乎。牛と鯨と何…
前回の「来週のサザエさんは」の時点で、ある期待はあったのですが。 冒頭から理容室で、あの髪型にしてもらったばかりのサザエさんが登場。 残念ながら工程は描写なしでした。原作ではストレートでモナリザの真似する話もあるのですが。 そして少し髪が伸び…
なぜか仮名垣魯文の『安愚楽鍋』は近代デジタルライブラリーに収録されていないようなので、筑摩『明治文学全集 1』からスキャンしてみました。著作権上の問題があればただちに削除して謝罪します。 ワインのぶどうやタバコの葉も、のまれた後でウシやウマ…
昨日はいそがしい日でした。行きの電車でヴァレリーの「テスト氏との一夜」を読み、帰りの電車でヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』を読み・・・。 「文学って何だっけ」と思いかけたところで仮名垣魯文の『安愚楽鍋』のアニマルライツ論を再読し、「これ…
牛鍋が流行した明治初期。洋服姿でワイングラスを傾けるウシと、江戸っ子姿のウマとの対談。 ※ 馬「牛公。久しく会わねえ内、手前は大層出世して、ラシャのマントルにズボンなんぞで、すっぱり西洋風になってしまったぜ。うまくやるな」 牛「おお馬か。手前…
すでに誰かが指摘していそうでもあり、細かい上に非生産的な話なので、手短にまとめます。 新潮社第五次全集(平成13年)の「私小説論」末尾には(「経済往来」、昭和十年五月)とありますが、正確には、 「私小説論」 『経済往来』誌 1935(昭和10…
1957(昭和32)年の世界共産党会議で、ソ連のフルシチョフからの原子爆弾のサンプル提供を受けた際の、毛沢東の発言。 ※ 仮説をたててみよう。戦争が勃発したらどれだけの人間が死ぬだろうか?全世界の人口は二十七億人で、その三分の一が失われるかも…
まず、大江健三郎が訪中し「理想的にうまくいっている」と讃えた1960(昭和35)年の「大躍進」政策。 ※ 一九五九年と一九六〇年には約二千万人の中国人が餓死し、生まれた子供の数は千五百万人少なかった。弱りすぎた女性たちは子を宿せなかったからだ…
大江健三郎が訪中し、「理想的にうまくいっている」と讃えた1960(昭和35)年の中華人民共和国の実態がいかなるものであったか。 ひとまずウィキペディアの「大躍進政策」を引用します。 ※ 大躍進政策(だいやくしんせいさく、繁体字:大躍進、簡体字…
一国の青年がそろって明るい目をしている、なんてことがあったら、まず思想統制と疑うべきです。 ※ 北京の青年たちは明るい目をしている、ほんとうに明るい目だ。(略) そしてぼくが、あらゆる責任をとりながら、中国の社会主義国家は、理想的にうまくいっ…
村井弦斎研究家を自称する身として、たまには得意料理の話でも。 ゆでたスパゲティ(200g程度)にいためたベーコン、スライスチーズ一枚にたまご一個(まるごと)を入れて、余熱があるうちに混ぜ、塩少々。それだけです。 そもそもは美味しんぼがきっかけ…
投稿するはずだった麗水論が来月までに書けそうもないので、テーマを変えてみます。 『浮城物語』か『浅草紅団』か『美しい星』か。はやいうちに決めねば。
八重洲ブックセンターで見つけて、さんざん迷ったあげく買わなかった本です。 大正期以降の反戦小説の一覧としては価値あるものであり(私の論文『明治の平和主義小説』とは一編も重複していません)、労作であることは確かです。 しかし、以下のような箇所…
いずれ明治の批評史を論じてみたい私にとって、避けては通れない人物がこの宮武外骨(みやたけがいこつ。本名同じ。1867(慶応3)~1955(昭和30)。)です。 批評家などと呼んでは失礼かも知れません。憲法発布に盛り上がっていた1889(明治…
1ページ目から、「元始天尊」の坐像が。週刊少年ジャンプで『封神演義』を知り、安能務版やコーエー版の原作(?)にポロロッカした私にはたまらない本です。 現代(1980~1990年代)の中国・台湾・香港などで崇拝されている神々の学術的調査なので…
日本文学協会公式サイトより。 特集の趣旨にぴったりではないけど、「初鮭」論が書けそうな気が。明治30年代のメガネ普及率を調べねば。 ※ 1月号特集 リテラシーと向かい合う 人間が「言葉」を持ち、それを書き付ける方法と道具を持った瞬間から「リテラシ…
少し遠くの書店をさがしてみます。
ひと安心。禁酒中につき、ネスカフェエクセラで祝杯にします。